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当主の聞き書き(1) [当主の聞き書き]

民家で最初に国宝に指定された吉村家住宅を貴重な文化財として、永年ひとりで守り続けてきた当主吉村堯氏も、今年88歳を迎えることになりました。いろいろ思い出もあるでしょうが、最近は語ることも少なくなっております。 

吉村家住宅に関心をお持ちの方々に、当主の貴重な「家の記憶」を少しでも残しておきた いと考え、「聞き書き」という形式をとり思い出を語ってもらうことにしました。  

           

 (当主が伝え聞いた吉村家住宅の歴史)


質)言い伝えでは、吉村家の先祖は佐々木高綱と聞いているが?
答)そう言われているが確かな資料は残っていない

質)佐々木氏の先祖は敦実親王(近江源氏の祖)と言われているが、その敦実親王と言われる木像が吉村家に秘蔵されており、代々大切に祀ってきたと聞いているが? また正月には敦実親王の掛け軸を毎年掛けているが?

答)親王像は大切に守ってきた。近江源氏の末裔であることは間違いないだろうが、中世の史料が失われているので、はっきりしたことが言えない。


質)中世は豪族であったことは間違いない?
答)間違いないだろうと思う。
質)近くに大塚山古墳という陵墓参考地があって、ここに昔、城を持っていたと言われているが?      
答)大塚山に城があり、「丹下」一族と呼ばれていたことは、何人かの郷土史家の方々が言っている。

質)家紋が近江源氏の家紋に似ているが?
答)丸に四つ目だが、近江源氏の紋は四つ目で、四角の中に窓がある。吉村家の紋は窓が塗りつぶされている。創作紋かもしれない。