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当主の随想ー3ー [吉村家住宅あれこれ]

 母屋との間の前庭には砂を敷き詰め、大戸口への斜めの石畳

以外は空白であるが、かっては作業場、集会所として格好の場

であったろう。斜めの石畳は前庭のよきアクセントであり、母屋

への距離感を強調し、また母屋を眺める上で絶好の視座を提供する。


その起点に立てば、母屋は少し斜めに全容を見せる。七三の比は

人の顔ばかりでなく、建物に対する角度でもすばらしく、

ここから見る母屋はまさに見事な均衡を保っている。ずっしりと

量感はありながら少しも威圧的でない。近代的ともいえる建築美

を示す。大和棟の切妻部分が小気味よく、茅葺、瓦葺の対比する

屋根、それを支える軒下との構成もすっきりしている。

また、大戸口から左右にひろがる壁面は、直線構成が、モンドリアン

の作品を思わせる近代性を見せている。

私自身、わが家はいいなと思って眺めるのはこの時である。


このような簡潔な構成を400年近く前に作り上げた棟梁たちの

眼と腕の確かさに敬服する。


                                     (続く)







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