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当主の聞き書き(7) [当主の聞き書き]



質)年末の行事は?

答)餅つきを覚えている。土間で餅をつき、板の間で女衆が並んで丸めていた。

  近所の人たちが10人ほど手伝いに集まってくれていしていた。

  餅の一部は「あかねこ」と言って、伸し餅にして、黄な粉をまぶして、その日の「お八

   

    つ」にした。

  鏡餅は念入りに丁寧に作っていたが、一つだけだった。

    ほかに荒神さんやその他の神さん用にまとめてはいくつも作っていた。

  餅の量は多かった。

  竹笹を取ってきて枝の付け根に餅を巻きつけて「餅花と呼んで茶の間の天井に飾ってい

  たが、食事中などにぱらぱら落ちてきて困ったことも覚えている。

    そのかけらを油で揚げて食べてものだった。

餅は年末だけでなく、何か祝い事があったりすれば,いつもついて配っていたと云う。

 

  質)年末のその他の行事は?

  答)枝柴と割木を一年分整えることが年末の行事だった。

  業者が枝柴を荷車で運んできて、軒下に積んでおいたのを、年末の一日

  10人ぐらいの手伝いの人が来て手分けして屋根裏に積み込んでいた。

外から運び込む人、滑車で上にあげる人、広い屋根裏に積み込む人など分担して手際よ

く作業をこなしていた。

小さい私が呼ばれて滑車で屋根裏まで運んでもらったこともある。

作業が終わるとみんなで賑やかに宴会して、年末の挨拶をして帰って行った。

(続く)